卒業制作

2、3Dプリンター(出力編)

ここから3Dプリンターを使用しての出力作業をしていきました。

学校の機材をお借りしているので、細かな調整は扱い慣れている先生に助けてもらうことがしばしばでした。

当初のイメージでは出力してハイ終わり!とすぐ出来るものだと思っていたため、スケジュールでも二、三週間あれば足りるだろうと考えていましたが、まさかあんなに苦労するとは…

・出力データを調整しよう!

出力するオブジェクトをSTLファイルに変換する作業を行ってきましたが、次にプリンターに読み込むスライスデータに変換する必要があります。

「FlashPrint」というソフトでスライスの設定を行っていきます。

ソフトにSTLファイルをドラッグ&ドロップでインポートした後は

3Dモデルのサイズ調整

角度や位置の調整

出力の際に支柱となるサポート材の調整

を行っていきます。

細かい話は省きますが、最終的に作るものが決まっているのでここの調整をミスすると最初から出力のし直しとなることは多かったです。

スライス完了後のプレビューで出力のイメージがある程度は見えてきます。

データが用意出来たらプリンターに接続する用のUSBメモリに保存。

残りの作業は3Dプリンターで行います。

・出力をしよう!

そもそも3Dプリンターとはどのようにデジタルモデルの出力をする機械なのかと言うと、今回使っているものはスライスしたデータを基に材料となるフィラメント(糸状の樹脂素材)を一層ずつ積み重ねて立体物を成型する形式のものです。

ソフトクリームの機械みたいなものだと個人的に思います。

割となんでも作れますが、一個当たりの造形に時間はかかるしうまく思った通りに作れるとも限らないので、一筋縄ではいかないなと感じました。

改めて作業の話に戻ります。

スライスデータを入れたUSBメモリをプリンターに接続した後はもう簡単です。

プリンターの操作画面でUSBメモリのデータを開き、そこで出力したいデータを選択してポチッとボタンを押すことで出力が開始されます。

ここからはもう待つだけです。

プリンターくんが頑張って出力してくれるのを他の作業でもしながら待ちましょう。

プリンターが出力をしている時の様子

とはいえ時々不調を起こすこともよくありました。

なので定期的にしっかり出力出来ているかを確認しに行く必要もあります。

もし何か問題が起きていれば途中で出力を切り上げ、問題を修正しなければいけません。

ここでよく起きた問題とは、プリンター自身のどこかしらの不調(フィラメントやノズル)、3Dモデルが出力に適していない(サイズが小さくて細かいものは出力が苦手な印象でした)、スライスデータが出力に適していないなどがあります。

これは月のモデルを出力した際の物です。スライスの設定にもよりますが、大きいものは出力に5 ~10時間とか平気でかかります。

そうして無事出力されるとこのような状態で出てきます。

下にサポート材がつながっている状態で出てきていますが、これは基本的に不要なので取り外します。

サポート材は非常に硬いので何かしら道具を使って取る必要があります。

こればっかりは力を使う作業になり、デジタルの作品を作るはずが手首を痛める羽目になりました…

こうして出力を試行錯誤しつつあの部屋のオブジェクトは徐々に立体化をしていき、

ついに…

完成しました!

元は完全にCGだったものが、3Dプリンターという技術を介することでこうして三次元の空間に出来上がりました。

床と壁はスチレンボードを合わせており、後の投影のために全て白色で作っています。(白いほうが映像が乗りやすいため)

この模型も雲などを元のイメージと合わせるための固定に苦難していましたが、無事形として出来上がったものを見て感慨深かったです。

普通にここで満足しかけてしまいますが、次が本題ともいえる作業なので気が抜けません。

・余談(失敗の話)

この画像に映っているものは殆ど失敗作になっています。

当初はフィラメントに白色がなく、テストも兼ねてグレーで出力していたのですが、特に難航したのがうさぎの出力でした。

うさぎだけは何度出力をしてもどこかしらの部分の成型に歪みが発生し、綺麗な状態では出来ませんでした。

そこでうさぎのみ、フィギュアコースの方のお力を借りることでこのように出来上がりました。

成型の都合で一部穴が空きましたがパテで埋めています

こちらはフィラメントではなく、液体樹脂に光を照射して固める方式の3Dプリントで作られています。

フィラメント式と比べるとこちらはずっしりと重みがあります。

時間も押し迫る中、DDコースにあるプリンターでは限界を感じたため、うさぎのみこうして違うタイプの出力を行うことになりました。

卒業制作は自分だけではうまく進められなかったと思われる部分は全体的に多くありましたが、今回の出力作業では特に色々な方のご助力があり本当に感謝しております…

当初はグレーで出力した物を白く塗って使用する予定でしたがあまりうまくいきませんでした。白成型よりも暗い白で見栄えも悪かったです。この画像の月はそもそも裏表を間違えて出した失敗作ですが…

六角形の星ですが、壁に貼るものなんだから片面は平らで良いだろ!と途中で気づいて出し直しました。(両面同じだと浮いてしまって壁に貼れない)

スチレンボードへの固定にはお湯で固まる透明な粘土と接着剤を使いました。実はこの固定だけで四苦八苦して相当な時間がかかっていました…